寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ん?」

「………………なっちゃったんだよね…。」

「なっちゃった?」



何がだ?






怪訝に思い見つめれば、気まずそうに莉茉が俺から視線を逸らした。



「莉茉?」

「………。」


莉茉が無言で、手に持っていたカップをテーブルにそっと置く。



「………暁、怒らないでね?」



上目遣いで莉茉が、じっと俺を見つめる。






怒らないで?





………って、事は。