寵愛の姫 Ⅲ【完】



「それを聞いてた朔が、文化祭は喫茶店でって、満面の笑顔で言うから…。」

「………。」

「………そのまま、きまっちゃったの、喫茶店に。」



おい、おい。




何をやってんだよ、朔。







笑顔と言う名の、脅しじゃねぇか。



「………莉茉。」

「うん?」

「それは、災難だったな。」



主に朔から笑顔を向けられた生徒達が。





………まぁ、どうでも良いけれど。





莉茉に、害がなければな。



「………………、だから、さ。」



ちらりと、横目で莉茉が、俺を見上げる。