寵愛の姫 Ⅲ【完】



「だろ?」


「ふふ、本当に、暁が文化祭で何かするなんて、全く想像が出来ないや。」



くすくすと、莉茉が楽しげに笑う。



「………、でも…。」

「ん?」

「私が暁と一緒の学生だったら、色々と楽しかったんだろうなぁ。」

「……そうだな。」



確かに、莉茉と一緒に学生が出来たのなら、楽しかったかも知れない。



「まぁ、学生の姿の暁も、私には想像が出来ないんだけどね?」



ふふ、と笑った莉茉が、手に持っていたカップに入っていたココアを口に含んだ。