寵愛の姫 Ⅲ【完】



………でも。


「………、ねぇ、神無。」

「………うん。」


神無と2人、無言になる。






私達の視線の先には、黒板に書かれた1つの案。



「劇って…。」

「………ね。」



ーーーーそれは、ないでしょ。






2人で、苦笑いを浮かべる。






いくら、背景のセットを業者が全て用意してくれると言っても。





流石に、セリフを覚える劇は、無理があると思う。





主役になった人は、絶対に可哀想だよ…。