寵愛の姫 Ⅲ【完】



「莉茉は、文化祭にしたいものはないの?」

「………うーん、したいものねぇ。」



首を捻って考えるけれど。





いまいち、どれもピンとこない。






かと言って、やりたいものも、特にはないし…。







………うーん、困った。



「莉茉、ない?」

「う、ん、ないかな?」



神無に顔を覗き込まれた私は、首を縦に振る。



「………、そっか…。」

「…うん。」



ごめん、神無。



力になれなくて。






眉を下げる神無に、肩を落とす。








前の学校でも、文化祭に参加をしなかった私では、絶対に頼りにならないと思うんだ。