寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………………、そっか、違うんだ…。」


1人、何度も頷く神無。



「ねぇ、神無?」


「…ん?」


「神無って、初等科から桜樺学園なんだね?」


「うん、そうだよ?」



ふわりと、神無が微笑む。






ーーーーーー少しの陰りを宿して。



「………、私の家、“お金だけ”はあるから。」

「………………そっか。」



寂しげに呟いた神無に、私なの似た“匂い”を感じた。






………………家に何かがあるんだと。



「じゃあ、桜樺の先輩である神無に、色々と聞かないとね?」


「ふふ、任せてよ、莉茉。」



神無と2人、くすくすと笑い合った。