寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………そう、か。」

「うん。」



少しだけ顔を緩ませた暁から、私は視線を目の前に座る両親達へと向ける。



「………、」



まだ、怖いけど。





………………うん、大丈夫。







暁とお揃いのピアスと、左手に輝く指輪が、私に勇気を与えてくれるから。






ーーーーもう、逃げない。



「………。」



ぎゅっと、暁と繋いでいる手に、私は力を込めた。