「………………茉莉。」 ぽつりと、その名前を呟く。 私の可愛くて。 ーーーー大っ嫌いな片割れの妹。 何度、 私も、皆の家族の一員になりたいと、心の底から望んだだろうか。 期待する、その度に、裏切られ、絶望の淵に突き落とされて、痛感するんだ。 ………………私は一生、彼等とは、本当の家族になれないんだって。 「………………、莉茉、大丈夫か?」 そっと、暁に手を握られる。 視線を向ければ、綺麗な漆黒の瞳が、私をじっと見下ろしていた。