「………………莉茉…。」 そっと、流れ落ちる莉茉の涙を拭う。 歓喜に、胸が震えた。 莉茉が両親よりも、俺を選んでくれたって事に。 ーーーーーその事実に、安堵したんだ。 「………っっ、暁…。」 「あぁ、俺は、ここにいる。」 ………お前の側に。 しがみ付く莉茉を、そんな思いを込めて、俺は強く抱き締めた。 ーーーー渡さない。 誰にも、莉茉だけは。 あの、糞のような両親にさえ、返すものか。