寵愛の姫 Ⅲ【完】



「あ、そう。」



なら、良いや。




もう、関わりたくないしね。






私にも関係ないやと、直ぐ目の前の男に対しての、一切の興味が消え失せた。



「では、さようなら。」



くるりと、男に背を向け、歩き出す。





………今度は、引き止められる事はなかった。



「………………あーぁ、これなら、大人しく家で留守番してれば良かった。」




小さく愚痴る。





疲れた。




本当、私がここに来た意味がなかったんじゃない?





ただ、疲れただけだったし。