「………。」 「………。」 無言で見つめ合う。 冷めた目で見上げ続ければ、ゆっくりと離される、掴まれていた私の手。 あざにならなかったかしら? ………………はぁ、手を振り払わなかっただけでも、感謝して欲しいぐらいだわ。 「………まだ何か?」 掴まれていた自分の手首を擦る私を、じっと見つめる目の前の男に、顔をしかめる。 本当に、何なのよ。 今日は、厄日かしら? あーぁ、私に用がないなら、さっさと帰らせて欲しいんだけど。