寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ふっ。」


………………やっぱか。





そろそろ、俺の所へと来る頃だと思っていた。



「ついに動き出したか。」



溜め息を吐き出した俺は、手に持っていた書類をディスク置き、椅子から立ち上がる。



「一樹、第2会議室に通せ。」



「承りました。」



一礼した一樹が踵を返し、部屋から出て行く。



「ーーーーー大雅。」



静かだった大雅へと、俺は視線を向けた。