「………………一樹、どうした?」 「実は、下に社長にお目通りを願っているお客様がいらしています。」 俺の眉間に皺が寄る。 「…客?」 「はい、お客様です。」 やたらと“お客様”を強調する一樹。 今日の俺のスケジュールには、誰からの面会予定はなかったはず。 ………………だとすれば。 「………一樹、来客の名前は?」 俺が思い当たった人物に、間違いはないだろう。