「社長、失礼します。」 ノックの後に、一樹が部屋の中へ入って来る。 「………。」 ちらりと、書類を持つ大雅を一瞥した一樹は、大きな溜め息を吐き出した。 「………………貴方は、また社長に馬鹿な事をやらかしたんですか?」 「………うるせぇ。」 図星を指され、そっぽを向く大雅に呆れた表情を浮かべ、もう一度、一樹は溜め息を吐き出す。 「ーーーー社長。」 そのまま、一樹は俺へと、視線を滑らせた。