寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………………暁、ありがとう。」



こんな私を望んでくれて。




本当に、ありがとう。





強く、暁にしがみ付く。



「…あぁ。」



啜り泣く私を、暁の力強い腕が抱き締めた。



「………っ、私…。」



「うん?」


「………………早く、暁のものになりたい。」



ぴくりと身体を跳ねさせた暁が、私の首筋に顔を埋める。



「ーーーーー反則だろ…。」



ぽつりと、小さく暁が囁いた。