寵愛の姫 Ⅲ【完】



「あぁ、お袋が料理を作って、お前が来るのを待ってる。」


「っ、お母さんか料理を……。」



莉茉の瞳が少しだけ潤む。



その声も震えていた





母親の作った料理の味を全くと言っていいほど、知らないらしい莉茉。





ずっと我慢して。



愛情に飢えていた莉茉にとって、お袋の手料理は嬉しいもんなのかもしれない。