寵愛の姫 Ⅲ【完】



「っっ、」



言葉が出ない。




………あぁ…。



もう、本当にどうしよう。






目の前の暁がぼやけて、上手く見えないよ。



「ふっ。」



ゆらゆらと揺らめく私の視界の先に、満足げに笑う暁がいて。



「莉茉、泣いてるのか?」



愛おしげな、暁のその瞳を見た瞬間。





ーーーーーもう、無理だった。



「………………っ、ふぇ……。」



私の目から、涙が零れ落ちる。