寵愛の姫 Ⅲ【完】




「あぁ、流石に指にするのは駄目だけど、学校の間はネックレスに通しておけば大丈夫だろ。」



「そう、良かった。」



ほっと、胸を撫で下ろす。




良かった、これで学校の間も指輪を手離さずに済む。



「莉茉?」



「うん?」



見上げた私を、妖艶に微笑んだ暁が見下ろす。




「結婚指輪は、もっと良いものを買ってやる。」



「………………、っ、」



暁の言葉の意味を理解した私は、目を見開いて固まった。