寵愛の姫 Ⅲ【完】




「ふふ、ありがとう。」



笑みが零れ落ちる。





そんな私を見て、暁も嬉しそうに口角を上げた。



「そうだ、暁。」



「ん?」



「指輪って、学校にしていって良いの?」



それが気掛かり。





生徒の服装に比較的、慣用な桜樺でも、アクセサリー類はいかがなものか。




この指輪は、これ以上ないってくらいの、私の宝物なんだもん。



一時も、手離したくはない。