寵愛の姫 Ⅲ【完】





「外さないよ。」



意地悪く笑う暁に、私は唇を尖らせる。



「だって、暁から貰った、私の宝物だもの。」



外す訳がない。





私の、一生の宝物だ。



「ふふ、」



嬉しくて。




まじまじと、私は笑みのまま、きらきらと光る指輪を見つめる。





貰えると思っていなかった、誕生日プレゼントに、私の胸が弾む。



「………………ねぇ、暁?」



ふと、指輪から私は暁へと、視線を向けた。