「っ、う、そ…。」 呆然と呟く。 目の前で輝くのは、間違いなく、指輪だった。 固まる私の頬に、するりと手を滑らせた暁は、その口角を上げる。 「あぁ、婚約指輪だな。」 いまだに固まる私に満足そうに笑った暁は、指輪を付けた左手の薬指に口付けた。 ………………何かを誓うかのように。 「っっ、ありがとう、暁。」 暁のその口付けに、私の頬が朱に染まるのは、仕方がない事で。 「莉茉、外すなよ?」 そんな私に、暁は意地悪く笑った。