ふと、頭の中に閃いた妙案に心が傾きそうになるが……。 「…………暁?」 そんな俺の格闘も知らず、不思議そうに首を傾げる莉茉に、何とか思い止まらせる。 「いや、何でもねぇ。」 せめてもと、莉茉の甘い香りを堪能しようと華奢な身体を引き寄せた。 「莉茉、今から実家に行く。」 「……、実家って、暁の?」