寵愛の姫 Ⅲ【完】




朔くんの世界は、冷たくて。




もの悲しい場所。






裏切りや、地位や名誉を求めるのが当たり前の世界。






………………そんなんじゃ、心から笑えなくなるのも、無理がないよ。



「じゃあ、神無は、朔の光だね。」



「え?」




光?



私が、朔くんの…?






驚いて莉茉へと視線を向ければ、私を優しい眼差しで見ていた。