寵愛の姫 Ⅲ【完】




「………………そんな朔くんに、さ。」



「うん?」



「高崎って名前のブランド目的に、皆が集まって来るんだよね。」



苦い気持ちが込み上げてくる。





朔くんの事を、何だと思っているんだろうか。






そんな皆の目的に、気が付かないとでも。



傷付かないとでも、思っているの?






………………それは違うのに。



「………ブランド?」



「………………………朔くんと仲良くなれば、何かしらの“恩恵”があるって思ってるみたい。」



朔くん個人じゃなく、その後ろにある高崎の家を、皆は見ているって事で…。