寵愛の姫 Ⅲ【完】




「………、そっか、朔が会社を…。」



「うん、夢なんだって。」



ふふ、と笑う。




目を輝かせる、あの時の朔くんを思い出して。



「夢?」



「そう、裏の世界に立つお兄さんを支える事が、朔くんの夢。」



なら、そんな朔くんを支える人間に、私はなりたい。




そう、思った。






あの瞬間、朔くんの真っ直ぐ、揺るぎない眼差しを見た時に。