寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ーーーーありがとう。」



待っていてくれて。




私に手を差し伸べてくれて、ありがとう。






沢山の思いを込めて、神無へと微笑んだ。



「よろしくお願いします。」



差し出された手を私がしっかりと握り締めれば、神無は顔を綻ばせる。



「ふふ、何だか照れちゃいますね。」



「………、だね。」




2人で笑い合う。




照れくさくて、恥ずかしいけれど。




………………それも、悪くない。