「………………龍神の総長である貴方が、ですか?」 己の族の力を使う事に躊躇わないぐらいに。 目の前にいる天野先輩も、莉茉さんの愛情を乞い、渇望する1人って訳か。 ーーーそれが、手に入らないと知りながら。 「あぁ。」 天野先輩が、強い瞳を俺に向ける。 「朔、莉茉を守るのに人数は多い方が良いだろ?」 「えぇ、まぁ……。」 確かに、龍神の力は魅力的だ。 莉茉さんを守るのに、人数が多い方が良いだろう。 ………だが、 「天野先輩。」 「うん?」