頑張らなくちゃ。 折角、暁やお母さん、お父さんにあの桜樺に通わせてもらえるんだから。 皆の期待に応えられるよう、努力を怠りたくはない。 俄然、参考書に向かい合う自分自身に気合いも入る。 「…………なぁ、莉茉。」 「うん?」 問題を解くことに集中していた私を、躊躇いがちな暁が呼ぶ。 「それが終わったら、ちょっと出掛けないか?」