「えぇ、これから仕事がありますので、申し訳ありませんが。」 莉茉が学校でいないこの時間で、粗方の仕事は片付けておきたい。 「帰りに迎えに来たいので。」 「……そうですか。」 どこか残念そうな表情を浮かべた理事長も、椅子から立ち上がる。 「高崎くん?」 「はい?」 「お父様に、くれぐれもよろしくと伝えておいて下さいね?」 理事長の言葉に、俺は頷いた。