「………。」



前田に付いていく莉茉の後ろ姿を見送る。






胸に過るのは、一抹の寂しさ。




ずっと側にいた気配がなくなる現実に、俺の中で違和感が拭えない。




それだけ、莉茉の存在が隣にある事実が当たり前なんだと、認識していたって事なんだろう。



「高崎くん、彼女が心配かい?」



理事長に声を掛けられて、ドアから視線を向ける。



「えぇ、まぁ……。」