「えぇ、構いませんよ。」 「なら、場所を変えよう。」 ちらりと、私に天野先輩の視線が向けられる。 「っ、」 びくりと肩を震わせた私は、思わず朔くんの服の袖を無意識に掴んでいた。 他者を寄せ付けない、天野先輩が放つ雰囲気に身体がすくむ。 朔くんのお兄さんとは違うんだけれど。 目の前に佇む天野先輩にも、トップに立つ人のオーラが見えた気がした。