「莉茉。」 先に車から降りた暁の手が、中にいる私の方へと差し伸べられる。 最初は照れくさかったけれど、この行為にも慣れてきている自分がいる。 「ん。」 差し伸べられた暁の手に指を乗せれば、ゆっくりと引き寄せられる私の身体。 この瞬間が、好きだ。 守られているようで、大切にされている事が強く実感ご出来るから。 暁と私の2人の同じ香水の香りが、ふわりと混ざり合う。