「な、なんの…なんのことか知らないし…!」
「佐々木夕も怒ってたけど、羽賀愁が1番怒ってたな」
「ヒッ」
「まぁでも、私を狙ってのことだから私が仕返しをしてるわけだけど…。佐々木夕に当たってたら、拷問でもされて死んでただろうねぇ」
「…っ」
「…し、知らない、あたしたちじゃ…証拠もない!」
「さっきからそれしか言えないの?」
逃げ切れると思ってるのかな。絶対逃がさないけどな。もっと口が上手かったら私ももうちょっと楽しめたかもしれないけど。
「あんたを…、あんたを黙らせればいいのよ」
「あら」
何か決心がついたのか、箒を力一杯握りしめてこちらを睨むリカ。
「リカ?」
「レイナ…、2人で殺ればいいんだよ…」
「…」
「さっきのはまぐれだって…」
「そう、だね…」
さっきまで嘔吐いていたレイナも立ち上がり、感動の再戦といったところか。
まぐれだと思えるのが素晴らしい。単純な脳細胞だな。まぐれで人が吹っ飛ぶわけがないだろう。
まぁ向かってくるならそれはそれでこちらが楽しめるのでいいのだが。
「うわぁぁあ!!!!」
「あぶなーい」
「ウッ」
まず、私を捕まえようと突進してくるレイナの腕を掴み背負い投げする。その瞬間襲ってきたリカの箒を避け、顔面に右ストレート。
あ、鼻の骨折れたな。
空を切った箒を左手で掴み、自分の方に引き寄せながら腹に再び蹴りをお見舞した。
今度はさっきの倍で。
ガッシャ------ン!!!!!
「おー、吹っ飛ぶねぇ」
「リカ!」
「お前はこっち!」
「イ゛ッ……!!」
奪った箒でレイナの顔面を殴り、ポイッと捨て、蹲るレイナの背中に片足を置き、両腕を後ろから持ち上げる。
「い…っ…」
為す術もないレイナは、なんとか抜け出そうとするも、さっきの背負い投げでかたい床に体を打ち付けたせいで動きが鈍い。
「人の教科書は盗るし、人の頭上に植木鉢は落とすし…この腕、いらないよね?」
「………は…っ…?」
「いらないでしょ?」
「な、な、なに…を…!いだ!!!痛い痛い痛い!!!!」
ギリギリとレイナの両腕を、本来とは逆の方向に曲げていく。
「ごめんなさい!!!!痛い!!やめて!!!痛い痛い!!」
「今更謝ってももう遅い」
ピタッと曲げるのをやめると、激しく息をするレイナ。
「あ、じゃあさ、勢いでいくのがいいか、ジワジワいくのがいいか選ばせてあげるよ」
「…は?」
「どっちがいい?」
私ったら優しい、と思いながらレイナの返答を待つ。
が、
「やだ…やだ…」
と唸っているだけ。さっきの威勢はどこへやら。
「もう私の好きな方にするから」
とまた再開しようとした瞬間、
「へぇ」
開かないはずの扉の方から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
