狂気のお姫様



「テスト助けてやらないからな」

「無理それは無理」



「東堂様〜」とわざとらしく頭を下げる小田をペシペシ叩いていると、


ピロリン


携帯が鳴った。


「ん?東堂か?」

「あー…、だな」

返事が煮え切らないのは、大体予想がついているから。

まぁ…、悪い方の。


「なんだよ、見ないのか」

「できれば見たくないんだよな」

「如月さん?」

「陽ちゃんなんて可愛いもんだよ…」

「?」


携帯を開いて大きくため息をついた。


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From:ジローさん

仕事だ。

大体2.3ヶ月後。
死なないよう、準備しとけ。

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携帯を閉じ、もう一度ため息をつく。

「なんの連絡?」

「んー、バイト、のようなもの」

「バイト?東堂バイトしてたっけ」

「あー、家のね…」

「あー…察し」


小田にはヤのつく職業の叔父がいることは言っている。なのですぐに察してくれたみたいだ。


「報酬たっぷりもらわないとな」

「悪い顔してんぞ」

「いつもの倍もらってやる」

「飯奢れよ」

「なんでだよ」


2.3か月か。まだ先だが、『死なないように』とつけるあたり面倒そうだ。


私に『大人しくしろ』だの『女の子らしくしろ』だの言ってくるくせに仕事は回してくるのはなんなんだろうか。仕事となると私の扱いは別人のようになる。そういう切り替えがジローさんのいいところでもあるけど。


さて、こっちの面倒ごとを早々に片付けておかないとな。