「っぶね」
放心状態の小田に怪我がないか確認し、再び上を向く。
佐々木夕越しに見えたのは手だけだったので、ここからだと誰かは特定できなかった。
一瞬でいろいろなことが頭に過ぎったが、意外にもハプニングには慣れっこなので、頭の中は冷静。
「小田、大丈夫か」
「え、何、なに、今の」
とりあえずは大丈夫そうだな。
「大丈夫ですかー」
上を向いてそう問いかける。
誰かが佐々木夕を引っ張っていたので、彼に怪我はないだろう。
「なに!?今の!?」
「何が落ちた!?」
「無事か!?」
すぐに顔を出した佐々木夕に少しホッとする。
他の4人も顔を出して粉々になっている植木鉢を凝視。
「植木鉢が降ってきましたねー」
「なんで冷静!?」
と四ツ谷鳴。
「ハプニングには慣れっこなんで」
「お前…怪我がないならいいけどよ…」
と陽ちゃん。
「り、律、小田…」
と長谷川蓮。
「愁ちゃんが引っ張ってくれなかったら俺死んでた!愛してる愁ちゃん!!!」
「おー」
ヒシッと隣にいる羽賀愁に抱きつく佐々木夕。
ほぉ…やはり引っ張ったのは羽賀愁か。植木鉢が落ちてきたところを見ていたわけでもないし、完全に窓から頭を引っ込めていたのに、私の声だけでそこまで反応できるとは。
やっぱりすごいな。
「誰の仕業?」
冷静にそう質問してくる羽賀愁からは冷気を感じる。
多分、いや、確実に狙われたのは私だろうが…、佐々木夕がふいに頭を出したために彼が大怪我をするところだった。そりゃ友達が危ないところだったんだ、お怒りにもなるだろう。
「多分私の客なんで」
「ふぅん」
あ、これは……『てめぇ確実に犯人見つけてぶち殺せよ』って目が言ってる。
「目星ついてんの?」
「んー、70%くらいですけどね」
そう、実は、こいつらかなっていう目星はついている。ただ、確実ではない。
が、それは心配ご無用。
「大丈夫です。分かるんで」
はっきりそう言うと、
「へぇ、楽しみにしてる」
と、羽賀愁は少し笑って頭を引っ込めた。
さて、これは成果をあげないとあとが怖そうだ。
「さて、どうするかな」
今度こそ天を見送り、そうポツリと呟いて顎に手を置く。
「東堂!!今!植木鉢!降ってきた!やば!死ぬとこだった!!!」
「タイムラグがすごいのよ」
もう小田のこと忘れてたわ。
