狂気のお姫様


ちなみに陽ちゃんは何故こんな物騒な家、というか屋敷に度々来ているのかというと、陽ちゃんパパが組員さんだから。それだけで来れるものなのかと思うけど、緩いのだウチは。ゆるゆるだ。ただし、身内にだけ。

昔、私がジローさんやらさっちゃんやらに鍛え上げられているとき、陽ちゃんもまた一緒に鍛えられていた。

そう、この前佐々木夕に言ったが、だから修行なのである。いやぁ、あの日々をもう1回やれって言われたら死んでも嫌だな。みんなスパルタすぎるんだよ。さっちゃんは甘いけど。


「最近忙しんすか」

「え、俺?俺は別に。仕事はなー、全部ジローにプレゼントしてやったしな」

「いや何やってるんですか」

「如何に仕事をしないか、それが大事だ陽介」

「ジローさんに殺されますよ」

「バレないように少しずつ仕事積んでるから大丈夫だ」

「うわ悪!」

「頭が良いと言え」


私の周りにはこんな人しかいないのか。だから私がこんな性格になったんだ、そうだ。


「で?律は最近どうだ学校生活は。血塗れで帰ったときはびっくりしたぞ」

「絶対びっくりなんてしてないでしょ佐助さん」

「バレたか」

「え、まず心配からだよね」

「ま、予想通りだよな」

「ですよね、律ですもん」


めっちゃ失礼なこと言うこいつら。私だって、何もされなかったら女の子らしく過ごしてんだよ。ただ敵がわんさかわんさか溢れ出てくるだけであって。


「ま、楽しく無事で過ごしてるならいんだよ」

え、さっちゃん大好き。

「楽しいよ。小田っていう友達っぽい奴もいるし」

「友達っぽい…?」

「いるんだよ。友達みたいで友達じゃない友達らしき奴が」

「友達らしき奴…?」

「うん」

不思議そうな顔をするさっちゃん。

いいんだよその認識で。

そういえば律がそんな名前言ってたな、くらいの認識で。

だって、小田だもの。