狂気のお姫様



「律起こすのに随分時間がかかったみたいだなぁ陽介」

「そうなんすよ、こいつ全然起きなくて」

「嘘でしょ自分も寝てたんじゃん」



そして今怒られている。

が、正直私全然悪くないよな。なんで一緒に怒られてんの。

「私悪くなくない?」

「休日に11時まで寝るのがそもそもの怠惰だバカ」

「スパルタ〜」


いいじゃん平日早起きしてるのにさ。休日まで早起きしてられるかって話じゃん。


「ていうか何用で呼んだのさ」

「ああ。別に大事な用があるわけじゃないんだけどな」

え、わざわざ早起きする必要なくない。

「最近忙しくて時間がとれねぇからな。家族の会話も必要だろう」

「わお、あったかぁい」

ほんとに早起きする必要ねぇじゃねぇか。

とか言ったらジローさんが悲しむのでやめておこう。

ジローさん私のこと好きすぎじゃない?陽ちゃんはもう、仏みたいな顔で静かに拍手している。


「で?」

「で?とは」

「律、最近学校どうだ」


いや………、違う。

これは違う。

目を見て分かる。微笑んでるけど、目は笑ってない。

なんだか疑ってらっしゃる!!!!



「ふ、普通だよー」

当たり障りのない返答をする。普通だもん。そう、別に私にとっては普通だもん。

「そうか。本当か陽介」

「ねぇ待って!めっちゃ疑ってるじゃん!!!私今普通って言ったのに!!信じてないじゃん!!!」

「当たり前だろ」


超絶失礼じゃねぇかこのおっさん。

いや、おっさんとか言ったら殺されるな。ていうかおっさんっていうほどの歳でもない。この人まだ35歳だしな。


「ジローさん、こいつの言う普通は普通じゃないっすよ」

「それもそうか…」

「えー…、すぐ私のこと売るー…」


さっきまで怒られてたくせにすぐにジローさんに告げ口する使えない幼馴染をジトリと睨みながら、何故かジローさんの目の前に正座させられる。


「虐待…」

「人聞き悪いだろうが」

「私何も悪いことしてない!」

「してないとは思いたいが、全く信じられないからとりあえず正座しとけ」

「ひどい話だ…」


お父さん、ジローさんが今日も虐めてきます。

告げ口してやる。私もお父さんに告げ口してやるんだからな…。


「で?何したんだ律」

「何もしてないってば!」

「どうせ佐助に協力でもしてもらったんだろ」

バレてるー。普通にバレてるー。

「あいつ証拠隠滅だけは一流だからな」

何をしたかバレてないあたり、やっぱりさっちゃんは仕事ができるイケオジだ。大好き。


「陽介、話せ」

「はい。いつものように相手を血祭りにあげてました!!!」

「すぐ言うじゃん!!!!!!!」

「律!!!!!お前はまたそんなことして!!女の子らしくしなさいって言ってるだろ!!!」


それはそれはこってり絞られた。

やっぱりジローさんに隠し事はできない。大人しく観念し、ゲンコツを食らった。

ちなみにだが、陽ちゃんも殴られてました。おわり。

「ジローさん!俺とばっちり!」