狂気のお姫様


《なんとかして行かない道を模索してる》

「おい」

《じゃあ俺が行ってあげるよー!》

「えー…」

《え、律ちゃんめっちゃ嫌そうな声してるんだけど》

だって嫌だもん。
佐々木夕に来させたら逆に大惨事になりそう。しかも彼相手に借りを作ってしまうのはなんとなくいけ好かない。


《しゃあねぇな》

「おっ」

《愁、お前行けよ》

「おい」

何を頼んでんだ。それこそ1番やばい奴ではないか。

《え、やだ眠い》

断られてんじゃねぇか。

ていうか今から寝るのか。下校しろよ。警備員もビックリだわ。《愁ちゃんまだ寝るのー?もう帰ろうよー》と遠くで佐々木夕の声が聞こえる。こいつもこいつで気分屋だな。

《…》

「…」

《分かったよ行けばいいんだろ…》

「そうこなくっちゃ!!」

わーい、やっぱり持つべきものは陽ちゃんこれ一本だね。

「待ってるるるる」

《はいはい。お前らー、帰るわ俺》

《おー》

《えー、俺も行きたいー》

不服そうな佐々木夕の声を最後に電話が切れた。

最後には来てくれると言ってくれると思ったよ陽ちゃん。ただ、この惨状を見て怒られないかといったら答えは否だ。絶対怒られる。だけどまぁ、ジローさんよりは1億倍マシ。陽ちゃんに怒られたほうがまだいい。


さて、足は確保したし、回収するとしますか…。

のびている彼らの制服をゴソゴソと漁る。

「あ、これ高いやつじゃん」

まあまあ盛大に漁っているのに、全員ピクリともしないので、死んでるんじゃないかと疑ってしまう。

「あったあった。みんなあるね、優秀」

取り出したものを鞄に入れてほくそ笑む。

現状把握は1番大事だからね。

「はやく陽ちゃん来ないかなー」


壁際に積んである木箱に座って足をブラブラさせながら、世話焼きの幼馴染を待った。