「あれ、吹っ飛んじゃった」
振り落とされた鉄パイプをパシッと掴み、ちょっと蹴りあげただけなのに吹っ飛んでいった男にケラケラ笑ってると、他の男たちは目を見開いて固まった。
普通の人じゃあんなに吹っ飛ばないもんね。
「固まってる暇、あるの?」
あーおかしい。
「なんだ今の…」
「た、たまたまだろ」
「おい、こいつ気失ってるぞ!」
「次、だぁれ」
「ヒッ」
短く悲鳴をあげる男たち。情けない。やる気を取り戻したんじゃないのか。
「あれ、来ないの?じゃあ次は私の番ね」
スッ、と体勢を低くし、戦闘モードに入る。
さっき吹っ飛んだ男から奪った戦利品、鉄パイプを片手に男の懐に飛び込んだ。
「ゴフッ」
あーらら、多分今ので肋骨やったな。
骨が折れる感触は、いつだって快感だ。
「あと腕ぐらい折っとく?」
素早く足をはらって、地面に倒れた男の腕を思い切り踏みつける。
ボキィッ
「ぎゃぁぁああ!!!」
世界でも終わったのかと思えるような叫び声をBGMに、綺麗に折れたなぁ、と感心する。
「狂ってる…」
あらら、今分かったの?
「もうあと3人か」
「な、なめるなよ!!」
男たちも私に向かって拳を振るうが、それは全て届かない。
「遅いんだよな」
素早く鉄パイプを手で回し、そのまま男の顔面を突く。
「うわぁぁぁああーーー!!!!いてぇ!!!目が!!うわぁああ!!!」
「あ、ごっめーん、目、見えなくなっちゃったかもねー」
叫びながら地面を転げ回る男に軽く謝るが、聞こえていない様子。もう1個目あるんだからいいでしょ?
「お前!コノヤロウ!!!!」
「おっと危なー」
ガンッ
「目がぁあ」って言いながら転げ回る男に笑ってたら、背後から殴られそうになったので、それを避け、今度はバットのように男の顔面に鉄パイプを振る。
すごい音したなぁ今。
「ホームラン?」
鼻の骨が折れたのだろう、鼻からすごい量の血が出ている。
「ひっ、ひてぇ…!!!!」
「何言ってんのか分かんない笑える」
「こ、この…!」
目を突いた男が足を掴もうとしてきたので、それを避けて蹴りあげると、数メートル吹っ飛んで胃液を吐いた。汚いなぁ。
鼻の骨が折れた男は、大量に鼻血を出したまま果敢に攻めてくるが、涙で前が見えてないのだろう、見当違いも甚だしい。
「私はここだよー」
「やめ…!ゲフッ、ゲホッ」
倒れるまで鉄パイプで突き上げると、ピクリとも動かなくなった。
あー、弱い弱い。
「さて、あと1人?」
