「てかお前、愁が、俺と話してる時と自分と話してる時で態度が違うって言ってたぞ」
「当たり前じゃん。先輩だもん」
「え、俺は」
「陽ちゃん」
「何その区分」
「わざわざ今更陽ちゃんに敬語使ったりよそよそしくしたりしないもん」
「あいつらにもそうしてやれよ」
「殺されるじゃん」
「あいつらをなんだと思ってんだ」
「人ではない」
「お前もだろ」
「なんでよ。解せん」
「どうせ最後には全員蹴散らしていくだろ」
「えー、羽賀愁には多分勝てないよ」
『多分』とつけているが、そう言い切った律に、珍しい、と心の中で思う。
「他は?」
「微妙。長谷川蓮はある意味何考えてるか分かんないしな」
「あいつはアホ」
「間違いない」
「でももう開き直ったから」
「?」
「そろそろ動きもあるし、もしかしたら陽ちゃんたちにも手伝ってもらうかも」
そう言った律はニヤリと笑った。
あー、この顔をする時はとんでもなく悪いことを考えてる時だ。
目の中には狂気。考えることもやることも狂ってるのに、その時の律を綺麗だと思うのは何故なんだろうか。
「さ、敵をギッタギタにするよー」
「ほどほどにな」
カラカラ笑う律に若干引きつつ、頭をポンポンと撫でると「じゃ、小田ぶち起こしてくるわ!」と教室に戻って行った。
「だってよ、愁」
「…」
隣で座っていた男に話しかけると、ゆっくりこちらに顔を向けた。
外からだと見えない位置なので、愁がいることに律は全く気づいていなかったみたいだ。
「俺らを利用…ねぇ」
「あいつの我が道を行くスタイルは破天荒だからな」
「面白いならいいわ、なんでも」
そう言いながら目を瞑った愁は少し楽しそう。
あーあ。
もう一度、幼馴染に心の中で手を合わせた。
【side 如月陽介 end】
