【side 如月陽介】
「ごめんなさい」
綺麗な30度でお辞儀する律に吹きそうになるのを我慢する。
なんだか怪しい動きをしてる女がいると思ったら知り合いで、いきなりそいつが告白されるという展開。告白している男はこちらに背を向けているので、俺がいることには気づいてない。
律はもちろん気づいてる。
まぁこんな堂々と見てるので、気づかない方がおかしいが。
しかし飽きたのだろう。なんか石蹴ってるし、絶対話を聞いてない。
「天と同盟を…」と頓珍漢なことを言い出した男に呆れ、「本人に言え」とこちらを指さした律はもうこちらに丸投げする気らしい。
「何、お前」
たった一言そう言うと、男は固まって「な、なんでもないです…っ」と言いながらそのまま逃げて行った。
なんだよ。俺らと同盟組みたいだのなんだの言ってる割には度胸のない…。
そもそも俺らは別にチームを組んでるわけではないので、同盟と言われたところで組みようがない。
全く、バカが多い。
「何してんの」
頭の悪い男から解放された律がこちらへ歩いてくる。不服そうな顔してやがる。
「いや、歩いてたらお前見かけたから」
「見物する前に助けようとは思わないわけ」
「助けるも何も自分で解決すんだろ。俺が助けたところで『目立つ』とか言い出すくせに」
「ああいうのと喋るのに気力使いたくないんだよ。あと、もうすでに目立ってるしこの学校で穏便にすごすのは諦めたところだよ」
遠い目でどこかを見つめる律に、ご愁傷さま、と心の中で手を合わせる。
まずは鹿島杏奈だろう。律の噂は俺の耳にも届いているから知っている。よく出回っているが、だからと言って俺ら自身に真相を聞いてくる奴はそうそういないので、ただ律が悪者になっている。
まぁ、噂を気にするような奴ではないし、というかむしろその噂を食い物にしようとしているのでわざわざ訂正もしない。ただでは転ばない奴だまったく。
天の他のメンバーに関しては、何かと律に構いたがる…というか面白がっているので、関わらないという方が無理だろう。
夕なんかこないだ自習を抜け出して律のクラスに遊びに行ったとか言ってたし。何してんだあいつは。
と言いつつ俺も面白がって構うので、構われることに諦めたらしい。
「そういえばお前、こないだ愁と話したんだって?」
「うん。そしてその話はこの前陽ちゃんにした」
「嘘つけ」
「お前なら大丈夫だろ、とか適当なこと言ってたじゃん!」
「嘘つけ」
「めっちゃ素知らぬ顔で言ってた!」
「聞いてない」
「記憶ぶっとんでるんじゃないの」
「俺何してた?」
「天才志〇どうぶつ園観てた」
「そら聞いてねぇわ。お前と志〇どうぶつ園どっちをとるかっつったら言わずもがな志〇どうぶつ園だろ。志〇どうぶつ園観てるときに話しかけるお前が悪い」
「え、殺していい?」
物騒な女だなまったく。
廊下から律を見下ろしているので、いつもよりも目線が下になる。よく女の上目遣いは可愛いと聞くが、こいつの場合完全に睨んでいるので全然可愛くない。いや、顔は綺麗なのだ。それは分かってる。ただ、このガンつけたような顔を他の奴に見せてやりたい。ただのヤクザだ。
「ごめんなさい」
綺麗な30度でお辞儀する律に吹きそうになるのを我慢する。
なんだか怪しい動きをしてる女がいると思ったら知り合いで、いきなりそいつが告白されるという展開。告白している男はこちらに背を向けているので、俺がいることには気づいてない。
律はもちろん気づいてる。
まぁこんな堂々と見てるので、気づかない方がおかしいが。
しかし飽きたのだろう。なんか石蹴ってるし、絶対話を聞いてない。
「天と同盟を…」と頓珍漢なことを言い出した男に呆れ、「本人に言え」とこちらを指さした律はもうこちらに丸投げする気らしい。
「何、お前」
たった一言そう言うと、男は固まって「な、なんでもないです…っ」と言いながらそのまま逃げて行った。
なんだよ。俺らと同盟組みたいだのなんだの言ってる割には度胸のない…。
そもそも俺らは別にチームを組んでるわけではないので、同盟と言われたところで組みようがない。
全く、バカが多い。
「何してんの」
頭の悪い男から解放された律がこちらへ歩いてくる。不服そうな顔してやがる。
「いや、歩いてたらお前見かけたから」
「見物する前に助けようとは思わないわけ」
「助けるも何も自分で解決すんだろ。俺が助けたところで『目立つ』とか言い出すくせに」
「ああいうのと喋るのに気力使いたくないんだよ。あと、もうすでに目立ってるしこの学校で穏便にすごすのは諦めたところだよ」
遠い目でどこかを見つめる律に、ご愁傷さま、と心の中で手を合わせる。
まずは鹿島杏奈だろう。律の噂は俺の耳にも届いているから知っている。よく出回っているが、だからと言って俺ら自身に真相を聞いてくる奴はそうそういないので、ただ律が悪者になっている。
まぁ、噂を気にするような奴ではないし、というかむしろその噂を食い物にしようとしているのでわざわざ訂正もしない。ただでは転ばない奴だまったく。
天の他のメンバーに関しては、何かと律に構いたがる…というか面白がっているので、関わらないという方が無理だろう。
夕なんかこないだ自習を抜け出して律のクラスに遊びに行ったとか言ってたし。何してんだあいつは。
と言いつつ俺も面白がって構うので、構われることに諦めたらしい。
「そういえばお前、こないだ愁と話したんだって?」
「うん。そしてその話はこの前陽ちゃんにした」
「嘘つけ」
「お前なら大丈夫だろ、とか適当なこと言ってたじゃん!」
「嘘つけ」
「めっちゃ素知らぬ顔で言ってた!」
「聞いてない」
「記憶ぶっとんでるんじゃないの」
「俺何してた?」
「天才志〇どうぶつ園観てた」
「そら聞いてねぇわ。お前と志〇どうぶつ園どっちをとるかっつったら言わずもがな志〇どうぶつ園だろ。志〇どうぶつ園観てるときに話しかけるお前が悪い」
「え、殺していい?」
物騒な女だなまったく。
廊下から律を見下ろしているので、いつもよりも目線が下になる。よく女の上目遣いは可愛いと聞くが、こいつの場合完全に睨んでいるので全然可愛くない。いや、顔は綺麗なのだ。それは分かってる。ただ、このガンつけたような顔を他の奴に見せてやりたい。ただのヤクザだ。
