《ジジジ…ジジ……》
「え、何?」
「何の音?」
いきなりノイズ音が教室に響き、教室内にどよめきが走る。
「誰だ!携帯を鳴らしてる奴は!」
先生は怒鳴り声をあげるが、誰一人として手をあげない。さぁ、誰だろうね。これは一体どこから鳴ってるんだろうね。心の中で笑みを浮かべ、とりあえず不思議そうに首でも傾げておこう。
《ジジ…あったあった!…教科書あったよ!》
「な、なんで…?」
「……え?」
音が鮮明になった瞬間、一気に顔が青白くなった奴が2人。
《ほんとコイツ調子乗ってるから痛い目見ないとね》
《分かるー!教科書ボロボロにして焼却炉にでも捨てよ》
《いい考えなんだけど!リカ、動画撮ろうよ、絶対笑える》
《ちょっとレイナ、それ流出させないでよー?ていうか、古文っていうのが最高、あの先生怖いもんね》
「ね、ねぇ、ちょっと待って、なにこれ……?」
しどろもどろになるターゲット2人に冷ややかな視線が刺さる。
ちなみにだが、私の名前を出していた部分はちゃんと編集でカットしている。客観的に聞けば、ターゲットの2人であるリカとレイナが安西さんの教科書を盗んだ、そしてさっきその罪を私になすりつけようとした、と思うだろう。いやぁ、律儀にお互いの名前を呼んでくれたお陰で手間が省けた。感謝感謝。
安西さんはこの2人とグルではない。ただ普通に教科書を盗まれただけ。昨日糞ビッチだとかふざけたことを言ってきたのでちょっとしたお返しだ。あくまで今回のターゲットはリカとレイナの2人。わざとぶつかってきたしね。何しろ私の腹が立った。安西さんは疑いが晴れたんだから結果的には良かっただろう。ただ、教科書は今頃焼却炉の中だが。
学生のいじめなんてな、低レベルすぎて、物を隠したり盗ったりすることからはじまるなんてお見通しなんだよ。
昨日最後まで教室にいた私。だが実質最後だったのは私ではないのだ。安西さんの教科書を自分の机の中に入れ、自分の教科書は持って帰った。
置き勉?誰も自分の教科書を置き勉しようだなんて言ってない。
私が帰ったあと、2人が教室に戻ってきたのは把握済みである。あとは音声のとおり。机の中の教科書を盗んできゃっきゃとはしゃいでいたが、まんまと私の罠に嵌まったと。
「いつの間に…。あんた教科書盗られたって言ってたじゃん」
小田がこっちをチラリと見てボソッと呟く。
「誰も私のだなんて言ってない」
「こわ」
私の疑いは完全に晴れ、もう既に蚊帳の外である。
「どういうことか説明してもらおうか?お前ら」
「最低…っ」
先生はブチ切れた様子で2人を睨んでいるし、安西さんも普通に友達だと思ってた2人に教科書を盗られたと思ってるので激おこなご様子。あー、今日は授業にならないかなぁ。
《きゃはははは!!…ジジッ》
高らかな笑い声で締めくくられた音声に、教室の雰囲気は悪くなるばかり。
「え、何?」
「何の音?」
いきなりノイズ音が教室に響き、教室内にどよめきが走る。
「誰だ!携帯を鳴らしてる奴は!」
先生は怒鳴り声をあげるが、誰一人として手をあげない。さぁ、誰だろうね。これは一体どこから鳴ってるんだろうね。心の中で笑みを浮かべ、とりあえず不思議そうに首でも傾げておこう。
《ジジ…あったあった!…教科書あったよ!》
「な、なんで…?」
「……え?」
音が鮮明になった瞬間、一気に顔が青白くなった奴が2人。
《ほんとコイツ調子乗ってるから痛い目見ないとね》
《分かるー!教科書ボロボロにして焼却炉にでも捨てよ》
《いい考えなんだけど!リカ、動画撮ろうよ、絶対笑える》
《ちょっとレイナ、それ流出させないでよー?ていうか、古文っていうのが最高、あの先生怖いもんね》
「ね、ねぇ、ちょっと待って、なにこれ……?」
しどろもどろになるターゲット2人に冷ややかな視線が刺さる。
ちなみにだが、私の名前を出していた部分はちゃんと編集でカットしている。客観的に聞けば、ターゲットの2人であるリカとレイナが安西さんの教科書を盗んだ、そしてさっきその罪を私になすりつけようとした、と思うだろう。いやぁ、律儀にお互いの名前を呼んでくれたお陰で手間が省けた。感謝感謝。
安西さんはこの2人とグルではない。ただ普通に教科書を盗まれただけ。昨日糞ビッチだとかふざけたことを言ってきたのでちょっとしたお返しだ。あくまで今回のターゲットはリカとレイナの2人。わざとぶつかってきたしね。何しろ私の腹が立った。安西さんは疑いが晴れたんだから結果的には良かっただろう。ただ、教科書は今頃焼却炉の中だが。
学生のいじめなんてな、低レベルすぎて、物を隠したり盗ったりすることからはじまるなんてお見通しなんだよ。
昨日最後まで教室にいた私。だが実質最後だったのは私ではないのだ。安西さんの教科書を自分の机の中に入れ、自分の教科書は持って帰った。
置き勉?誰も自分の教科書を置き勉しようだなんて言ってない。
私が帰ったあと、2人が教室に戻ってきたのは把握済みである。あとは音声のとおり。机の中の教科書を盗んできゃっきゃとはしゃいでいたが、まんまと私の罠に嵌まったと。
「いつの間に…。あんた教科書盗られたって言ってたじゃん」
小田がこっちをチラリと見てボソッと呟く。
「誰も私のだなんて言ってない」
「こわ」
私の疑いは完全に晴れ、もう既に蚊帳の外である。
「どういうことか説明してもらおうか?お前ら」
「最低…っ」
先生はブチ切れた様子で2人を睨んでいるし、安西さんも普通に友達だと思ってた2人に教科書を盗られたと思ってるので激おこなご様子。あー、今日は授業にならないかなぁ。
《きゃはははは!!…ジジッ》
高らかな笑い声で締めくくられた音声に、教室の雰囲気は悪くなるばかり。
