狂気のお姫様

「悪かったって」

「思ってないですよねぇ???????」

「その目やめろ」

「見てるだけですがぁ??」

「睨まれるより、眼球ガン開きで見られた方が怖い」

失敬な。

ていうか、誰のせいで私が怒っていると思っているんだコノヤロウ。

「なんであそこで言っちゃったの?バカなの?ねぇバカなの?KYなの?空気読めないの???」

「悪かったって。逆にバレてると思ってたんだわ」

あぁ、なるほど。

千秋ちゃんの言葉に、少し頷く。

私の行動を、組が知らないわけがないと思っていたわけだ。一般人だとはいえ、東堂の人間に変わりはないんだから、行動は監視されているものだと。

しかし残念だったな。

「うち、放任主義なので」

「なんかそれは意味合いが違うような……」

The 放任なのだ。
私の監視なんてはなから頭にないだろう。叔父バカなのに。

それを信頼ととっていいのか、放任ととっていいのかはさておき。

というか、監視されても私が監視している人たちを見つけてしまうから、監視の意味がないと言った方が正しいのか…。


「ていうか千秋ちゃん、あそこに私以外いないこと分かってたよね?」

「分かってたけどよ、まさか本当に一般人の東堂の娘に護衛がいないとは思わねぇだろ」

「あ、護衛か…」

「ん?」

「いや、なんでもない」


…護衛か。

めっちゃくちゃ監視だと思ってたけど、普通の感覚だと護衛だよな。そうだよな。

いろいろとやらかしてる自覚がありすぎて、私に付けられるとしたら護衛よりも先に『監視』って言葉が出てきちゃってたわ。

監視って言葉出さなくて良かった……。

またどっかの奴らみたいにゴリラとか化け物とか人間じゃないとか言われるところだった……。

いや、もはや、やらかしていると自覚している私、偉いのでは???????


「その真顔でいろいろ考えるのやめてくんね?」

「ちょっと過去の自分に思いを馳せてたわ」

結論、私偉い。

「そもそも」

「あ、はい」

「お前が報告する説もあったし、俺があの場で言わねぇと、信頼もクソもねぇだろうよ」

本職の『知らないフリ』ほど怖いものはないからなぁ。その気持ちも分からんではないが。


「でも絶対悪い顔してた」

「は?」

「さっきの、私を見る目が、小馬鹿にしてるような目だった」

「優しい目だっただろうがよ」


その顔だよ巨人め!!!