狂気のお姫様

「ほんとにそれだけ言いに来たんだね」

「プロポーズでもされると思ったかよ」

「全力で断ってた」

「誰がロリコンだ小娘」

「言ってない」


結局あのあとチーズケーキも食べた私は、ちゃっかり9個上のおじさんに奢ってもらい、大満足。


「最近の女子高生はケーキ3つも食うのかよ……。まじで怖ぇ」


その女子高生からすると、コーヒーをブラックで飲む奴の方が怖い。苦いもん。


「ごちそうさまでした。また奢りにきてね」

「奢りにきたわけじゃねぇのよ」


なんだ違うのか。てっきりそうかと。


「次はパフェがいい」

「奢られる気満々じゃねぇか」


そりゃそうだろ。


「クソ生意気な小娘が……。俺はもう行く。クソして寝ろクソガキ」

「信じられないほど口が悪い」

教育番組だったら総叩きだよ。


「もう行くんだね」

「行ってほしくないのか小娘」

「いや。普通はこのあと焼肉じゃん」

「お前の胃袋はブラックホールか?」


育ち盛り舐めんなよ。




まぁ、ふざけるのはこの辺にして。

「長くあけると組の奴らに変に思われるからな」

「あぁ、そうだね」

その中に敵がいるなら尚更ね。


「お前も気つけとけよ」

「ご忠告どうも」


ひらひらと手を振ると、成瀬組の若頭もとい千秋ちゃんは私の頭をポンと撫で……いや、ひと掴みすると颯爽と帰って行った。



端から見てもやっぱりオーラは別格で、通行人たちに注目されているあたり、どっかの誰かさんたちと同じにおいがする。

顔もいいし、芸能人かと思わせる雰囲気。

ありゃモテるだろうに、組関係の総会とかで今まで見合いの話とかなかったんだろうか。

思えば思うほど腹が立ってきた。やめよう。