狂気のお姫様



「あーあ。憂鬱」

「彼氏作っちゃったらいいじゃん」

「誰を」

「あの5人のうちの誰か」

「げ」

「どれがいい」

「どいつも癖がある」

「私的には羽賀さん推しなんだけど」

「なんで」

「だって東堂と羽賀さんて最強じゃん」

「それもうカップルじゃなくて相棒じゃん」

「スパイとか似合うよ2人」

「さっきからドラマの見すぎなんだってば」

「でもあっちがガチのロリコンだった場合、やっぱりこっちには既に彼氏がいますよ、っていうのはいい作戦だと思うけど」

「うーん」

「陽介さんは?」

「彼氏役?」

「うん」

「陽ちゃんが私を見る目が完全にオカンだから無理。ボロが出る」

「オカンて」


あぁ憂鬱だ。非常に憂鬱だ。

ていうか、もし相手がやばい奴だった場合に彼氏いますなんて言ったら、その彼氏役の人の命が危ないんじゃないかと思うんだけど、気のせいか?それは自意識過剰か?


「東堂、顔はいいもんな」

「は、ってなんだよ」


中身も最高だろうがよ。


「まぁとにかく、報告よろしくってことで」

「楽しんでやがるな貴様」

「聞く分にはめっちゃ楽しい」

「クソだ」


思わず机に突っ伏す。

私にどうしろと言うのだ。

マイファーザー同様、組を背負う気なんてさらさらないので、こんな大事なイベントに参加すること自体が嫌だ。何も考えなくていい仕事ならまだしも。


「せっかくジローさんに言われてこの数ヶ月バリバリ体鍛えたのに」

「いい姪」

「バイト代ふんだくってやる」

「お見合いさえもバイトにする姪」


当たり前だろ。本意じゃないんだから。


「何着てくの。着物?ドレス?」

「体操服」

「ぶほっ!まじであり!!」

「止めろよ」


ダメだ。

コイツと話してるとなんでもネタになってしまう気がする。心はこんなに病んでるのに。


「いいと思う。私が可愛いゼッケンつけてやるよ」

恐るべし小田。