狂気のお姫様




カツ-ン…

何故聞こえたのかは分からない。



分からないが、

ふと目を向けてしまった。



そう…

私の…

「携帯ちゃん!!!!!!」

バキィッ!!!



は?

「…」

今。

「…」

何が起きた。

「…」

一応目を擦る。

が、数メートル先に見えるのは、誰かに踏まれ無惨にも画面が割れた私の携帯。

そう、こないだも3年生のお金で修理した私の携帯。


「…」

「へっ!!背後ががら空きなん…うぶぅっ!!!」


お前ら知ってるか。

何度でも言うが。


プツン

「携帯は女子高生の命」

私の中で何かが切れる音がした。


ガンッ!!

目の前にいる男の鳩尾に、地面と水平にした鉄パイプをお見舞いすると「ゲッホ!!」と地面に胃液を吐く。

「この野郎!!!女ぁ!!!うぐっ!!」

ブォンッ

隣の男の頭を耳ごと殴ると、鼓膜が割れたのか一瞬よろける。その間に鉄パイプを持ち替え、重心を移動して顎にトーキックをお見舞する。




「殺す」

天が殺ってくれるからと思っていたが、よくよく考えてみれば腹立たしい。

鹿島杏奈といい、こいつらといい、頭の悪い雑魚の癖にわらわらと集まって。

どう言われようが、何を思われようが構わないが、仕掛けたのはそっちだからな。


ジワリ…

「ふは」

狂気が滲み出て、無意識に口角が上がる。






「げ!!律がやべぇ顔してる!!愁!!」

「は?なに」

「律!殺戮モード入った!」

「げ…」

「律ーー!!!殺すなよ!!!!」

遠くで陽ちゃんの声が聞こえた気がした。

だけど大丈夫。

気がした、だけ。



あーーーーー、楽しい。