狂気のお姫様



《てわけで忙しいんだわ》

「どうせ雑魚でしょ」

《超雑魚》

「早く迎えに来いよ」

《いきなり命令口調。数が多いんだよ。夕はサボるし》

「想像つく」

《俺もサボるし》

「早く殺れよ」

《まあまあ。落ち着け。学校に誰かいんだろ。連絡しといてやるよ》

「陽ちゃんの知り合いってあの4人しかいないじゃん。その中で天真爛漫なチビはそこにいるんでしょ。じゃああと3人じゃん。でもあの食欲旺盛の脳みそゆるゆる男は多分来ないし。ってなったら二択じゃん」

《お、お前…気づいてないかもしれないがとてつもない悪口言ったぞ》

「それは気づいてなかった。しかも2人のうち銀髪は何考えてるか分かんないしもはや助けてくれなさそうだし、女たらしの金髪タレ目は借りつくったらいろんなこと強要されそうだし」

《もう1回言うが、とてつもない悪口言ってんぞ》

「気づいてなかった」

《だとしたらもはや天災》

天才だろうが。誰が天災だ。


《まぁ…とりあえず待っとけ…》

「…はーい」

《なんで頼んできた側がこんな文句言ってんだ》



陽ちゃんはブツブツ言いながら電話を切ったが、さてどちらが来るのだろう。




待っている間暇なので、さっちゃんに連絡をとる。

2.3ヶ月後に一大イベント(そんな可愛いものじゃない)があるとジローさんが言っていたのを覚えているだろうか。

私はまだ何も知らされていないが、どうせ組関係での揉め事だろう。ということは、いつ戦争が勃発してもおかしくないということで、前倒しになる可能性も考えていた。

しかしだ。

一向に連絡は来ないし、その2ヶ月はもう経とうとしている。

おかしい。

そう思ってさっちゃんにそれとなく聞いてみたものの、さっちゃんの答えは『そんなデカいヤマあったか?』とのこと。

いよいよおかしい。

さっちゃんは嘘をついている様子はない。

なので、ジローさんが怪しいのだが、そもそも組の揉め事とも何とも言われてないのだ。

ジローさんにそれとなく聞いてみてもいいのだが、今までこんなことなかったのでちょっと怖い。だからさっちゃんに探りを入れてもらっているのだが。

あのさっちゃんでも情報が回って来ないらしい。

なんの仕事なのだろう。

潔く『殺ってこい』と言われればそれなりに準備して出向くのに。


「うーん」


そんなことを考えていると、真下から人の気配。



「うわ。何してんの」

「こっちかー」

「は?」


選ばれたのは、銀髪でした。