狂気のお姫様

「後悔させてやるって、後悔する、の間違いじゃない?」


クスクス…と笑うと、2人とも顔が綺麗に引き攣った。

「は、はぁ?意味分かんないんだけど」

普段の生活で人がふっとぶところなんてなかなか見ないだろう。驚くのも無理はない。


「ゲフッゲフッ!!」

ふっとばされた女は、床に這いつくばったまま苦しそうに嘔吐く。


「ほら。早くおいでよ。私をやるんでしょ?」

ニコリと笑いながら聞くが、もう狂気は完全に私を支配していて、心の中は真っ黒だ。


「来ないのなら私から行くけどー」

「えっ、ちょっと待っグェッ!!!」

「待つわけないじゃん」

2人目の女も同じように蹴飛ばすと、今度はトイレの扉に背中を打ち付け、そのまま便器の中に倒れ込んだ。


「きったなぁ」

あーあ。汚いからあんまりトイレで揉め事を起こしたくはないんだけどなぁ。水攻めといえばトイレだから致し方ない。


「こんなの、聞いてない…っ」

「はぁ?何が?」

3人目は、可哀想にぶるぶると震えて後ずさりをする。


「こんなっ、はずじゃ…」

「んー?私がその汚い水でびちょびちょになって泣いて出てくると思ったの?」

「…っ」

「ざーんねん。考えが甘いなぁ」

「ごめ、なさっ」

「ていうか人がふっとんだだけでそんなビビられても困るんだけど笑」


あー、おっかしい、とケタケタ笑っていると、最初にふっとばされた女が手をついてゆっくりと起き上がる。


「ゲホッ…な、なにしてんの!早くっ、やりなさいよ!!!」

この期に及んでまだ私をやるつもりなのか。まあまあの強さで蹴りあげたからダメージは大きいはず。案の定まだ苦しそうに嘔吐いているし。なのに友達に行けと命令できるなんて。頭わいてんのか。


「ねぇ、ああ言ってるけど、来ないの?ねぇ」

「ヒッ」

女は完全に私にビビっていて、なんだか拍子抜け。さっきまでの勢いはなんだったのか。


「あんたたち汚いからさー、あんまり手出してやり返したくないんだよねー」

「…っ」


まぁ、だから蹴ってるんだけど。


「やめっ…ヴッ!!!」

何か言いかけた3人目の女も、同じように蹴りとばす。

「ごめんごめーん。何か言いかけた?」

「ゲホッ…カハッ!!!」

「ちょっとちょっとー。聞いてるんだけどー?無視ー?」


倒れ込んだ女は、苦しそうに咳き込むだけでなんの反応もない。


「無視はよくない」

ガンッ

「イ゙ッ」

無視をする女の顔を蹴りあげると、鼻の骨が折れたのか、大量の鼻血がふきだす。


「うける。不細工すぎ」


こんな状況で笑うなんて異常?

だけど面白いんだから仕方ない。


「こ、こんなことしてっ!ただで済むと思うなよ!!」

「やだこわーい」

1人目の女は気が強いのか、アニメの雑魚キャラがよく言うセリフを叫ぶ。


「じゃあただで済まないことが起きる前にあんたは殺っちゃわないと、ね?」

「ヒッ…いだいいだいやめっ…!!!」

ガンッ

這いつくばる女の髪の毛を掴むと、思いきり顔ごと壁に叩きつけた。