「ていうか東堂、今日用事あるとか言ってなかったっけ?」
「あー、羽賀愁に呼び出されてるやつね」
「何それ面白そう」
「じゃあお前も来い」
「それは遠慮しとく」
スッと身を引く小田に舌打ちをしつつ、今日の私は昨日のイライラと今からの憂鬱でいっぱいなのだ。
ていうか、羽賀愁が言ってた教室は恐らくあの鍵が壊れてる教室だろうけど、いつ来いとは言われてないんだよね。
もう怖すぎて今日一日中待ってようかとも思ったが、さすがにやめた。
多分だけど、放課後だと思う。あの日遭遇したのも放課後だったし。
ただ、そうじゃなかったときはもう平謝りするしかない。
「羽賀さんって意外と東堂お気に入りだよね」
「どこが」
「え、話すじゃん」
いや、お気に入りのレベル低すぎない?
「まぁ遭遇率は他の人よりかは高めだと思うけどさ」
「よくあんな怖い人と話せるよな」
「私だって話したくて話してるわけじゃないし」
まぁ、ただちょっと可愛いところもあるというのも事実。ほら、笑顔とか。
みんなが思ってるほどサイボーグでもないとは思うんだけどな。怖いけど。
ていうか、あのアホ陽ちゃんが大丈夫って言うのだからきっと大丈夫なんだろう。
「四ツ谷さんとも仲良くなったんでしょ?」
「それは語弊があるな」
仲良くなったとは言いたくない。
「東堂がその感じを出せるんだから仲良いと思うけど」
そりゃあれだけのことされたらこうもなるだろ。何が守護神だあの金髪タレ目め。
たまに連絡が来るが、フル無視している。
「これでまた一歩鹿島杏奈の大噴火に近づいたな」
「大噴火って笑」
あながち間違いではないけどな。
「まぁ、東堂は天の人たちじゃないもんな」
「何が?」
「出会い系で探してるもんな。彼氏」
「殺す」
こいつ、昨日のことを話したと思ったらすぐにネタにしやがる。
「もう面白すぎてそのサイト覗きに行こうかと思ったけどウイルス仕込まれるのは嫌だからやめた」
「そこは賢明。もはやウイルスに感染してくれていいけどなお前は」
「いやー、でもその昨日のゴリラ3人組見たかったな」
「まじで頭悪そうだった」
「どこの学校?」
「動物園」
「待ってっ…ぶほっ、無理笑う」
今日も小田の頭は平和だ。
