狂気のお姫様

「なんだよあれ!!」

「唐辛子スプレー」

「どおりで赤いと思った…」

「まさかあんなに効果があるとは…私天才かもしれない」

「毒ガスにしか見えなかったんだけど」

「まぁあながち間違いではないね」


もし効果が薄ければ改良しようと思っていたが、あんなに効果があるのならこれで完成でいいだろう。改良なんてしたら本当に人を殺しかねん。


「お前まじで変なもん作るなよ…」

「陽ちゃんで実験しなかっただけ有難く思ってほしいね」

「それは有難すぎる」


ちなみに、作成中何度も咳き込んで死にそうになったので、効果がなかったらあの自分の努力が無駄に終わるところだった。非常に良かった。



「律、ちょっとあの角曲がったら止まるぞ。お前ヘルメットつけてないし」

「そういやめちゃめちゃ風が顔に当たると思ってた」

「アホ」


陽ちゃんそういうところ律儀だよなぁ。見た目的には毎晩ブイブイふかせてるように見えるのに。



スッと角を曲がり、一旦バイクが止まったのでとりあえず私も降りる。

「私用のヘルメットは?」

「ないに決まってんだろ」

「なんでよ!ちゃんと用意しといてよ!」

「彼女かよ」

「姑だよ」

「姑バイクに乗せるとか嫌すぎる」

「前乗せてくれた時はあったじゃん!」

「あれは昔のヘルメット学校に置いてたからたまたま持って行っただけ」


確かにあのヘルメット、デカかった。
いやそもそも、あのね、学校は物置じゃあないんだよ君。


「え、なに。じゃあここから歩いて帰れってことなの」

「そう言いたいところだが、もう1個あった気がする」

そう言ってバイクのシートを探す陽ちゃんは、真っ黒なヘルメットを取り出した。


「あるじゃん!!」

良かった良かった〜、と黒いヘルメットを受け取り頭に装着。

うーん、これもちょっとデカいぞ。まぁ仕方ないか。文句は言ってられないもんね。


パシャリ


「おい」

「ん?」

「なんで今写真撮ったの」

「いや送ろうと思って」

「誰に」

「そのヘルメットの持ち主」

「…」

「…」

「嫌な予感がするぞ」

「そうか?」

「誰の」

「愁」



ほぉおらぁぁあーーーー!!!!!!!

「ちょっと!勝手に借りてるみたいになるじゃん!消してよ!」

「もう送った」

「ガッデム!!!!!!!!!」